kotokoto_learn’s blog

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【雑感】ITフリーランスエンジニアに関するネット上の宣伝について

最近ブログやYouTubeなどで、IT関係のフリーランスエンジニアが非常に稼げる仕事であると言う話をよく耳にする。その上、実務経験1年程度で、会社員からフリーランスになることで、月何十万円、場合によっては百万円以上も稼いでいるとの触れ込みをよく見かける。

この触れ込み自体が嘘であるとは私は思わない。実際に、未経験者が独学やプログラミングスクールなどを経てエンジニアに転向し、さらにその後フリーランスエンジニアとして相当な金額を稼ぐことも多くあるのだろう。現時点で見る限り、サラリーマンでここまで稼げる仕事は非常に限られ、エンジニアは一定の才能さえあれば魅力的な仕事であるように思われる。また、今後もプログラミング関連の仕事と言うのは一定の需要が見込まれるため、今後のキャリア形成にも役に立ちそうだ。そういった意味では私も学生時代からある程度続けているプログラミング関係の勉強は、今後も継続してきたい。

ただ、外野から見て少し感じるのは、今は若干バブルなのではないかという懸念、である。どういうことかというと、フリーランスでバリバリ稼げる需要がここまであるのは、現在の好景気下に限定される話であって、直近では10年に1度程度のサイクルで起こっている不況(直近はリーマンショックで、その前がITバブル崩壊)に突入すると、フリーランスのエンジニアの多くは生活の基盤を失うのではないかと予想している。

私が直近で見たYouTubeチャンネルを運営しているエンジニアの方がいみじくも仰っていたが、技術水準自体が高くそれが競争力となっているフリーのエンジニアもいる一方、そうでないエンジニアも多くいるようだ。つまり、正社員は解雇がしにくく、かつ待遇も一旦上げてしまうとなかなか下げることが難しいため、フリーエンジニアは、プロジェクトベースで短期的に発生する需要を満たすための調整弁として利用されているように見え。まぁフリーランスと言う形態自体が業界を問わず上記の目的のために利用されていることを考えると、この推測はまず間違っていないだろう。そうすると、いったん不況が再来した場合、高い技術水準で戦っているわけではないフリーランスエンジニア、つまりは雇用調整弁として活用されているフリーランスエンジニアの多くは一挙に職(=発注)を失うことが予想される

そうすると、既に分な蓄えをしている人たちを除いて、多くのフリーランスは経済的な苦境に立たされることになるだろう。もう既にネットや書籍などで、フリーランスエンジニアになる方法が多数公開されてしまっている現在においては、おそらく相当の人がその地位を獲得または獲得に向けて動いているはずであり、労働サイドの供給量は今後増えることはあっても減ることはないだろう。もちろん需要自体も今後増加していくだろうが、不況期が訪れた際にペースダウンをすることは容易に想像され、やはり厳しい状況が起こることが予想される。今はやはりバブルの予感がする。


長期的にIT技術に関するスキル知識が有用なのは間違いないので、それらを自分の地肉に出来るように基礎的な勉強を怠らないのは重要であるが、短期的にフリーランスエンジニアになることに飛びつきすぎると、近いうちに痛い目を見ることになるような気がすみんなが魅力的だと思い始めた市場はやはり危ない。アーリーアダプターのうちにおいしい思いをするのがやはり最善の策なのだろう。